ドラクエ3に学ぶ新米起業家のレベルの上げ方5選(前半)

新米起業家にとって何が一番重要なのか。
それはなにより「自身のレベルを上げる事」に尽きる。とにかく我々はいまだ経験値のないひよっこなのだ。なんとしてでもレベルをあげなければならない。
「レベル上げ」と言えば、「ドラクエ(ドラゴンクエスト)」である。これは紛れもない事実だ。そこで今回は、ドラゴンクエストシリーズ最高傑作である「ドラクエ3」から、レベル上げ法を学び、我々起業家がなすべき経験値の溜め方を考えていきたい。

レベル上げ1 序盤は少人数で

ドラゴンクエスト3(以下ドラクエ3)は、自身が「ゆうしゃ」となり、登録所で仲間を最大で3名作成、計4名のパーティ編成で魔王討伐に挑む、というシステムだ。
仲間を連れていける最大人数である4人パーティを組むのが一般的な攻略だが、ドラクエ3では「戦闘で得た経験値は、人数に均等に配分される」。つまり、4人で魔物を倒した時の経験値は、一人で倒した時より四等分されてしまうのだ。そもそも、冒険に4人も必要なのか。たしかに人数が多い方が生存確率は上がり、攻め手の手数も増え、回復係や呪文などを複合させる戦略を取ることが可能になる。
だが、そうした戦術が必要になるのは冒険中盤以降でのこと。序盤は、4人がフルで居る必要はなく、単純な打撃のみで打開できるのがほとんどだ。

そこで私がお勧めしたいのは、「パーティ人数の削減」である。4人より3人でプレイした方が一人あたりの経験値が多くなり、レベルの上がるのが早くなるのだ。

これは起業に置き換えれば、初期のメンバーは絞った方がよいという事だ。必要な人数は、起業が上手く行った後に追加で追加すればよく、最初期には必要な人数だけチョイスすることで、効率的なレベルアップにつながる。
ドラクエ3でいえば、外せない「ゆうしゃ」の他に、打撃専門の「ぶとうか」(せんしは装備品のコストがかかるのでアウト)、回復専門で打撃も有効な「そうりょ」、もしくは中盤で「けんじゃ(まほうつかい+そうりょ)」に転職可能な「あそびにん」の3人パーティで、「ダーマのしんでん」まで到達することをお勧めする。
ドラクエ3で「あそびにん」をパーティに入れるなんて正気の沙汰とも思われるかもしれないが、レベルが低い「あそびにん」は思ったよりも遊ばず真面目に打撃を繰り出す。また「うんのよさ」もよいため攻撃を回避する確率も高い。もちろん、慎重なプレイングは必要にはなるが、その辺は腰を振るなり奇声をあげて神頼みをするなりして攻略をしていくと、何とかなる。
上手く行かなかったら、隣で正座してプレイを見ている弟をぶん殴ってストレスを解消しよう。

編集部注※やめろ

レベル上げ2 「場違い案件」の出現でレベル上げ

ドラクエ3では、物語の進行度に合わせて出現するモンスターが強くなる。
モンスターが強いほど、多くの「けいけんち」が手に入るため、強いモンスターと戦う事が素早いレベルアップのキイとなる。
しかしドラクエ3では、通常出現するフィールドのエリアでは出現しないはずの「場違いモンスター」が出現する個所がある。

編集部注※ちなみに先ほどから話題にしているのはファミコン版のドラクエ3の話である。

具体的に言うと、カザーブ東側の山岳地帯より東の歩いて行ける海岸線付近の地点。そこは通常プレイなら15レベルほど先で出会うはずの「りゅうのじょうおうのしろ」周辺のモンスターが出ることが知られている。
そうした「場違いモンスター」にうまく遭遇し、死力を尽くして何とか勝利できれば、序盤にしては場違いなほどの経験値が手に入るだろう。
戦闘が終わったらすぐに街に戻り宿屋で全回復をする事が必須となるが、これを繰り返せば比較的短期間に大量の経験値を得ることができる。

これを起業に置き換えると、「今の自分には持て余すと思われるほど高度なプロジェクトに、通常のルーチンを停止してでも挑戦する」こととリンクする。
本来であれば大企業がチームを組んでやるような案件に貧弱な装備と経験で挑み、死力を尽くして攻略することを織り交ぜることで、自身のレベルアップをすることができるだろう。

さて、そうした強敵に勝てるかどうかだが、ドラクエ3の話であれば、実は補助呪文である「ラリホー(睡眠魔法)」が通常モンスターには比較的効きやすいため、相手の動きをとにかく止め、ちまちまと打撃を繰り返せば何とか勝てなくもない。
もちろん、敵は選ぶべきで、強い全体攻撃呪文を持つ割に報酬の少ない「まほうおばば」や、魔法のききにくい「デスストーカー」は避け、脳筋な「グリズリー」や、ベホマラーだけ唱えて逃げ出す「ごくらくちょう」を中心に倒していくといい。

現実の会社において、場違いなほどの高度な案件に挑む時にも、この戦略は使えるのではないか。
とにかく、クライアントを酒でも飲ませて眠らせ、動きを取れ無くし、小さく小さくポイントを稼ぎ、仲間を見殺しにしてでも何とか生き延びる。
ポイントは、とにかく酒でも何でもいいから敵を眠らせる事だ。
クライアントさえ眠らせて黙らせれば、絶対に何とかなる。あいつらが口出しするから、全部だめになるんだ。全部あいつが悪い。全部クライアントが悪い。とにかく眠ってもらうべきだ。
「眠った相手なら、赤ちゃんでもポチョムキンを殺すことができる」というロシアのことわざもある。ここはロシアのことわざを信じるべきである。

後半に続く

山本健介

脚本家、演出家。埼玉県春日部市出身。早稲田大学第二文学部卒。2007年演劇ユニット「The end of companyジエン社」を旗揚げ。以降ジエン社の全作品の脚本と演出を務める。2015年『30光年先のガールズエンド』にて第60回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネート。
舞台作品以外にも、映画『スマグラー』『SHORT PEACE』、テレビドラマ『東野圭吾ミステリーズ』などの脚本を手がける。

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